JR東海が作った名古屋の新名物「ぴよりん」の秘密 愛らしさで大人気、新幹線で運べば崩れない?

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ぴよりん登場前、このカフェでは「シャチボン」というお菓子が人気だった。シャチボンという名前のとおり名古屋名物の鯱鉾の形をしたシュークリームだが、これが諸事情で販売できなくなってしまった(シャチボンの根強い人気から現在は販売が復活している)。シャチボンの代わりとなるお菓子の開発に迫られ、同社のスタッフたちが試行錯誤の末に作り上げたのがぴよりんだった。

愛知県の地元食材である「名古屋コーチン」の卵を使ったプリンをババロアで包み込み、粉末状のスポンジ生地をふんわりとひよこの形にまとわせた。目やトサカやくちばしといったパーツを付けて完成。すべて手作り。パーツの位置が微妙に異なるため、1つひとつの表情が違って見える。愛らしいデザインは「JR東海の交通系ICカード『トイカ』のひよこのキャラクターを意識した」(矢崎課長)という。

並ぶぴよりん
ショーケースに並んだ「ぴよりん」(撮影:梅谷秀司)

デリケートなぴよりん

販売当初は1日に10〜20個程度の売れ行きだったが、じわじわと売れ始め、1年後の2012年7月には累計販売個数10万個を達成した。この時点で1日平均で300個程度売れている計算だ。なお、矢崎課長は「ぴよりんは1個、2個ではなく、1ぴよ、2ぴよと数えるのが正しい」と言うが、ここでは「個」で統一させていただく。

2011年9月には「愛知のふるさと食品コンテスト」で最優秀賞を受賞、2012年には農林水産省食料産業局長賞を受賞するなど、お菓子としての実力も高く評価された。

ぴよりんは一口食べるととろけるような食感が特徴だが、その反面、衝撃や暑さに弱く、輸送時に崩れやすいという欠点がある。この点についてどう思うか、矢崎課長に聞いてみると、「課題であることは認識している」としたうえで、「ババロアを硬めにすると崩れにくくなるが、そうするとせっかくのふわふわな食感を損ねることになる」と言う。改善は難しそうだ。

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