秋登山を考えている人の「今年特有」の懸念事情 夏はコロナ禍要因による遭難続出で警戒モード
長野県における今シーズンの遭難事例を、同県警のサイトからいくつかピックアップしてみよう。
2人パーティで蝶ヶ岳から常念岳に向けて縦走中、61歳男性が疲労により行動不能に。無事救出。
3人パーティで白馬岳から下山中、58歳女性が疲労により行動不能に。無事救出。
6人パーティで東天狗岳から下山中、体調不良により行動不能に。無事救出。
4人パーティで赤岳から下山中、男性(46歳、5歳)、女性(45歳、8歳)が装備不足で行動不能に。無事救出。
2人パーティで北穂高岳から下山中、62歳男性がバランスを崩し滑落。県警ヘリで救助したが死亡確認。
行動制限がなくなったことで、開放的で絶景が楽しめる登山人気が高まった。ところが、テレワークや巣ごもり生活などの影響で多くの人が運動不足に陥っていた。そうした状況下で、事前に十分なトレーニングをせずに山に向かい、体力不足から遭難、救助要請というケースが多かったようだ。
遭難の態様である「転倒」と「行動中の疲労」は、かなり密接な関係があり、結局どちらも体力不足、脚力不足から発生しているケースが多いという。富士山では登山口に到着後、十分な休息を取らずに登る「弾丸登山」による疲労遭難が相次いだ。
運動不足からくる体力不足、実力以上の山を目指す技量不足、用意周到な計画を立てない無謀登山、これらが重なったことで今シーズンの遭難件数が大幅に増加したといえそうだ。
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