エクストレイル「北米の2年遅れ」で発売のワケ ラインナップ/e-POWER/価格帯、理由は3つ
![試乗会にて乗った新型「エクストレイル」](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/e/f/570/img_efa87fc8144ee42a7f34aa9276728b19497738.jpg)
日産のミッドサイズSUVである「エクストレイル」がフルモデルチェンジを行い、第4世代となった新型モデルが2022年7月25日に発売された。先代の登場から9年ぶりとなるフルモデルチェンジだ。
最新エクストレイルの特徴は、全グレードがハイブリッドの「e-POWER」となったこと。発電用のエンジンには、世界で日産だけが実用化している可変圧縮比エンジン「VCターボ」を搭載する。また、4WDモデルは後輪をモーターで駆動とする「e-4ORCE」となった。
![](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/6/e/570/img_6ec81b9eb67f419eb94f2a66b710ece168854.jpg)
試乗をして、もっとも強く感じたのは「上質感」だ。圧縮比を変化させることができるVCターボは、回転数を抑えたまま高い出力を出せる。そのため、アクセルを強く踏み込んだときのエンジン回転数も、従来エンジンより低い。また、そもそもe-POWERは、なるべく発電用エンジンの稼働を少なくするように作られている。
その結果、新型エクストレイルのe-POWERは、エンジンの稼働が少なく、「エンジンが動いていても回転数が低い」=「静かで振動が少ない」パワートレインに仕上がっていた。つまり走行中、つねに静かなのだ。
さらに乗り心地やハンドリングも穏やか。初代エクストレイルがうたった“タフギア”という特色は薄くなり、行儀が良く快適な、より大人のクルマになっていたのだ。
日産の“売れ筋”は3車種しかない
エクストレイルは、日産にとって日本市場の主力製品の1つだ。人気のSUVであることはもちろんだが、今の日産には“日本で売るクルマが少ない”という事情もある。
この夏には、セダンの「スカイライン」「シーマ」の生産が終了した。また、タイから輸入していたコンパクトカー、「マーチ」の日本向けの生産も終了している。いずれも、かつては日産の主力だったモデルだ。
![先ごろ日本向けの生産が終了した「マーチ」](https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/0/4/570/img_04c567c358f2eb79a520ac2751525858423560.jpg)
現在、販売している車は軽自動車を除くと、エクストレイルのほかに「ノート」「ノートオーラ」「セレナ」「キックス」「エルグランド」、そしてBEVの「リーフ」と「アリア」しかない。この中で販売ランキング上位を狙えるのは、ノート/ノートオーラ、セレナ、エクストレイルの3モデルのみなのだ。
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