バレリーナ「加治屋百合子」歳を重ねて得たもの 20年以上、第一線で活躍する彼女が語ること

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── 15歳の時には、「ローザンヌ国際バレエコンクール」で「ローザンヌ賞」を受賞します。バレエに詳しくない人でも耳にしたことがある知名度の高いコンクールですよね。まず、コンクールに出ることが大変だったとお察ししますが……。 

加治屋:そうなんです。「ローザンヌ国際バレエコンクール」は、NHKで放送されていたのを母が録画してくれて見ていたので、私もずっと気になっていました。特に私が挑戦する少し前に、私と同じ名古屋出身の子が賞をもらっていたのを見て、出演したいという思いを強くしました。でもおっしゃるとおり、簡単には出場できませんでした。

学校側に出たいと伝えたのですが、同校の出場枠は4名と決まっています。最初は「留学生のあなたにその枠はあげられない」と言われていたのですが、何度もお願いしたところ、学校内で選抜会を行い、上位4名に入ったら考えてもいいということになったんです。ここで諦めるわけにはいきませんでした。

── 見事、枠をゲットする加治屋さんもすごいですし、留学生にちゃんとチャンスを与えてくれる学校もすばらしい! 「ローザンヌ国際バレエコンクール」では、見事、「ローザンヌ賞」を受賞。奨学金を得て留学をするチャンスを得ます。 

カナダの学校は体重計がなくてびっくり

加治屋:留学先はローザンヌの事務局の方と相談して決めました。上海の学校がかなりのスパルタだったので(笑)、真逆の学校を経験するのが良いだろうと、紹介してもらったのが、生徒にストレスを与えないという方針をもつ、トロントのカナダ国立バレエ学校でした。

カナダに行って、まず驚いたのは、学校に体重計がなかったことです。上海では毎週体重を測り、少しでも太ると先生に注意を受けていましたから(笑)。また、上海では週末も練習漬けでしたが、トロントの学校は、週末はスタジオが閉鎖してしまうんです。最初はそれがストレスでしたが(笑)、だんだんと慣れていきました。 

(写真:内田裕介(Ucci))
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