年金を一番トクにもらう「夫婦の年齢差の法則」 配偶者手当「加給年金」をどう受け取るかがカギ

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年金は生きているうちは生涯にわたって受給できるので、65歳から受給開始すればそれだけ長い期間、受け取れる。一方、受給開始を遅らせれば遅らせるほど、(65歳からの受給開始と比べて)受け取る期間は短くなるものの、月々に受け取る年金額は多くなる(正確には、年金の支給はふた月に1回、2カ月分が支払われる)。

受け取る総額をもっとも多くするには、何歳からどのように受け取り始めるのがいいのか。今回の年金大改正によって、その「年金戦略」を「自分で立てて」、実行することが求められるようになったといえる。

年金をもっとも多くもらうには夫婦で戦略を

年金戦略を自分で立てて実行するとはいえ、やみくもに受給開始を遅らせればいいのではないことは、容易に想像がつくだろう。極端な話だが、75歳まで受給開始を繰り下げても75歳1カ月で死んでしまったら繰り下げ増額の意味がなく、65歳からもらっていたほうが生涯にわたって受け取る年金の総額が断然、多くなることはすぐにわかる。このように、実際のところは「寿命」という不確実な要因によって左右されてしまうところが大きい。

もう1つ、年金受給者の多くが「夫婦で老後を迎える」ことを考えると、年金戦略は「夫だけ」、あるいは「妻だけ」ではなく、「夫婦そろって」生涯にわたって受け取る年金の総額を増やすという視点で考えなくてはならない。ここが重要なポイントになる。

一般的な年金世代は「夫が会社員で妻が専業主婦」という夫婦が多いが、中には妻が若いころに働いており、その間に厚生年金に加入していて老齢厚生年金の受給資格がある場合もあるだろう。そうなると、夫婦で受給できる年金は、夫の老齢基礎年金と老齢厚生年金、妻の老齢基礎年金と老齢厚生年金の4種類になる。それぞれの年金について受給開始を「75歳まで繰り下げる」、あるいは「繰り下げずに65歳から受給する」というように個別に決められる。

こうしたことを踏まえて、夫婦で受け取る年金の総額をもっとも多くするには、まずは、夫婦そろって「すべての年金の受給開始を繰り下げる」ことを検討するのがセオリーといえる。日本人の平均寿命などから考えると、ずばり「70歳への繰り下げ」を検討するのが基本戦略といえるだろう。

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