鹿島と大成建設、トップ交代に残された宿題

"大政奉還"は先送り、日建連会長は誰に?

東京・赤坂に建つ鹿島本社(写真:今井 康一)

2020年の東京五輪に向けて建設ラッシュが始まった建設業界で、ゼネコン(総合建設会社)大手5社のうち鹿島と大成建設の社長交代が決まった。

 鹿島では最大の懸案である鹿島創業家一族への大政奉還問題を先送り。大成建設は大学研究室が同じ先輩・後輩でのバトンタッチとなり、両社とも現体制維持を優先した無難な人事となった。業界団体の日本建設業連合会(日建連)の会長人事も鹿島から大成建設に交代する準備が整ったが、深刻化する職人不足、東京五輪後に予想される需要反動減、インフラ輸出への対応など山積する難題に思い切った対策を打ち出せるのだろうか。

鹿島「若返りよりも時勢を重視」

鹿島は6月25日付で押味至一専務執行役員(66)が社長に昇格し、中村満義社長(71)は代表権のある会長に就任する。2月24日の記者会見では創業一族から社長を選ばなかった理由や、10年ぶりの社長交代でありながら若返りが図られなかった点などに質問が飛んだが、中村社長は「社長には時代に即した人物を選ぶことが重要」として現時点では押味氏が最も相応しいとの考えを示した。

しかし、鹿島の経営に創業一族が大きな力を持っていることは周知の事実だ。現在でも元社長の鹿島昭一取締役相談役(84)が事実上のオーナーであり、その姉の息子である渥美直紀代表取締役副社長(65)、石川洋取締役専務(55)、平泉信之取締役(56)が取締役会に名前を連ねている。

3年前に平泉氏が取締役に就任した時、鹿島昭一氏の息子の光一氏(44)が取締役だったため、取締役会のメンバー10人のうち半分を創業一族が占めたほどだ。筆者は中村社長に「上場企業の取締役の半数を創業一族とした意図は何か」と質問したことがあるが、明確な答えがないままにその翌年の役員人事で鹿島光一氏が取締役を外れた。

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