落下事故多発の「抱っこひも」、製造元責任は? 半数以上が偽造品?安全基準無視の製品も

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では、購入者は「偽物だったからおカネを返して」と業者に連絡すればいいのだろうか。

「はい。けれど、実際に代金が回収ができるかは別問題です。販売した業者を特定すること自体が難しかったり、通常の請求をしても代金回収に応じなかったりと、ひと筋縄ではいかないかもしれません。こういった場合は、裁判をしても、支払わない可能性が高いでしょう」

何かいい手立てはないだろうか。

まずは正規品かどうか、きちんと見極めよう

「詐欺が明らかな場合は、警察に通報して、代金を振り込んだ口座を凍結する方法もあります。もし、代金をクレジットで支払ったときは、カード会社に請求停止の申立をする方法もあります」

偽造品と知らずに購入した結果、強度不足で事故が起こった場合、業者を訴えることはできるのだろうか。

「今回のケースは、基準を下回る強度の偽造品です。商品に欠陥があるといえるでしょう。もし、赤ちゃんが、この製品の欠陥のために落下して事故が起きた場合、赤ちゃんのケガと商品の欠陥との因果関係は明らかです。

購入者は、製造業者や販売業者らの責任を追及することができます(製造物責任法3条)。また、購入者は、販売業者に対して、赤ちゃんのケガで発生した損害の賠償請求もできます(民法415条)。

しかし、業者の責任を問えるとは言っても、大事なお子さんに何か事故があってからでは遅いです。安全を第一に考え、良質な業者を見極めて、できるだけ正規代理店を通じて購入するなど、十分に注意する必要があるでしょうね」

心当たりのある親は、まずは、手元にある抱っこひもが正規品か偽造品か、確認しておこう。

西田 広一(にしだ・ひろいち)弁護士
1956年、石川県小松市生まれ。95年に弁護士登録(大阪弁護士会)。大阪を拠点に活動。得意案件は消費者問題や多重債務者問題など。大阪弁護士会消費者保護委員会委員。関西学院大学非常勤講師。最近の興味関心は、読書(歴史小説)、食品の安全、発達障害など。
事務所名:弁護士法人西田広一法律事務所

 

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