気づけばよく見る「パンサー」再ブレイクの必然 超売れっ子の彼らにも多くの苦悩があった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

向井は、後輩の霜降り明星・粗品がMCを務める番組でVTRロケのオファーがあった際の心境を「やっぱプライドみたいなのも一応あるから『オッ』と思ったんですけど、もう0.2秒後に『行きます!』って言ってたんすよ」と振り返り、実際にロケを懸命にこなした夜に涙を流したエピソードを臨場感たっぷりに語った。

その後も『アメトーーク!』のツイッター告知に自身の名前が省かれたと声を上げ、2015年の「男前ランキング」で1位だった自分が2019年に43位まで転落したことに触れて「ちゃんと老けていってる」「昔はかわいかったなぁ~!」と言い放つなど、次々と自虐的な笑いに昇華していった。

このときの向井は、なかなかに楽しそうな表情を浮かべている。過去の自分からようやく脱却することができた、まさにその瞬間だったのかもしれない。

『有吉の壁』で保たれているトリオの魅力

パンサーは特番時代(2015年~)の『有吉の壁』から出演し続けている老舗メンバーだ。ジワジワと存在感を示し、2017年12月の放送で優勝。レギュラー化した2020年には、「○」を獲得した年間ポイント数ランキングで1位となった。

2020年12月17日に発行された『Quick Japan VOL.153』(太田出版)の中で、彼らは番組での立ち位置についてこう振り返っている。

「職人とかマリオとか、菅さんの見た目を活かしたキャラをやりだして、だんだん『パンサー、面白いかも』ってなっていったんじゃないですか」(向井)

「最初は厳しかったです……。(中略)ブレイク芸人(筆者注:「ブレイク芸人選手権」)をどう考えていいかわからなすぎて、『俺がパラパラ踊って、パラパラなことを言うわ』とふたりに説明してはみたものの、自分でも見えてなくて。真っ暗闇を手探りでやってる感じで、あんなにウケるとは思わなかった」(菅)

「俺は体張ることしかウケないから……。この芸歴になって、自分が考えてることは面白くないってことに気づいたんです(笑)。でも追い込まれたときの顔は面白いと言われるので、だったらそれ突き詰めるしかない」(尾形)

菅のキャラクターやユニークな着想にスポットが当たり、尾形だけでなく向井も泥臭く笑いをとろうと奔走する。まさに三者三様の面白さが結実した番組だった。『有吉の壁』によって、ようやくパンサーが“お笑い芸人トリオ”として世間から認識されたといっても過言ではない。

次ページその後の活躍は?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事