気づけばよく見る「パンサー」再ブレイクの必然 超売れっ子の彼らにも多くの苦悩があった

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一方で、すでに同期たちはコンビやトリオを組んで活動している状態だ。3人は、ライブで一緒になったことのあるメンバーの中から次の相方を探すしかなかった。

最初に尾形が菅に声を掛け、その数日後に向井も菅を誘った。しかし、この状況を知った向井は尾形と組むのをためらった。NSC入学前に「ルミネtheよしもと」の若手ライブでグレートホーンを観ており、アンケートで唯一「×」をつけていたからだ。

とはいえ、このチャンスを逃せばいつ相方が現れるかもわからない。向井はやむなくトリオでの活動を受け入れた。

他方で2008年と言えば、8年周期で若手のスター候補を発掘しようと企画された番組『新しい波16』(フジテレビ系)が放送される絶好のタイミングだった。しかし、出演者の多くは20代。パンサーは尾形が30代に入っていたため、この枠に入ることができなかった。

時代はネタ番組の最盛期だ。『エンタの神様』(日本テレビ系)や『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)などで活躍する若手も多かった。YouTubeチャンネル「ニューヨーク Official Channel」の「【パンサー】仕事は一緒にしてるけどガッツリ話したことない先輩と激アツ濃厚トーク【ニューヨーク】」の中で、菅は当時をこう振り返っている。

「レッドカーペット組とかは、ネタを忙しいし作れないし、テレビでやったことあるネタやるじゃん。だから、『あ、これ観たことあるよ』ってたぶん観にきてる人たちはなるのよ。でも、そこに俺たちみたいな“ぽっと入った人間”が新ネタやったら、そっちのほうがウケるじゃん。それでそこを押さえて(筆者注:ライブで)1位バンバン獲れたの」

“出待ち率”ナンバーワンの功罪

駆け出し時代のパンサーは、まずライブで存在感を示していく。華のある見た目も、彼らの人気に拍車をかけた。

2010年にはジャングルポケット、ジューシーズ(2015年に解散。現在、“家事えもん”こと松橋周太呂、赤羽健壱と児玉智洋のコンビ・サルゴリラとして活動)とともに『333 トリオさん』(テレビ朝日系)のレギュラーに抜擢され、翌年にはジャンポケ、チョコレートプラネットらとコント番組『パワー☆プリン』(TBS系)が始まった。

2013年には冠番組『それゆけ!ゲームパンサー!』(日本テレビ系)がスタートし、『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ系・週替わりレギュラー)、『王様のブランチ』(TBS系)といった人気番組にも出演。早い段階で“お昼の顔”となり、その名は全国区となった。

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