五輪不正疑惑のAOKI、間際に相次いだ「唐突人事」 逮捕直前に創業者や事業会社社長が突如退任
「五輪関連で得られる直接的収入は大したものではないが、“五輪スポンサー”や、“あのスーツを手がけた”という実績が社会に与えるイメージには代えがたいものがある」と、AOKIの元社員は指摘する。
人口減少やスーツ離れの影響で、紳士服の市場規模は急速に縮小している。公式商品の販売が決まった当時、AOKIHDの幹部は「久々にスーツで明るい話題だ」と語っていた。
過半の株式を青木家が保有
拡憲氏と寶久氏が退任した今もなお、AOKIHDにとって創業家は大きな存在だ。
AOKIHDの主要株主構成を見ると、筆頭株主は、拡憲氏や、長男で同社取締役の青木柾允氏らが代表を務める資産管理会社「アニヴェルセルHOLDINGS」。ほかの親族や資産管理会社などの持ち分を合わせると、過半の株式を青木家が握っている。
一方、ガバナンス体制については、計12人で構成される取締役会のうち、5人が社外取締役だ。社外取は「経営の透明性と独立性確保」のため2022年6月に2人増員し、プライム市場上場企業に東証が求める「独立社外取締役3分の1以上」の基準をクリアしている。
2019年には社外取締役を委員長とする任意の指名・報酬委員会を設置。同社の田村春生副社長が責任者を務めるコンプライアンス委員会・リスクマネジメント委員会も設けており、経営管理室や監査室などの部門長らをメンバーとした会合を定期的に開催してきたという。
創業者だけでなく、現役役員まで逮捕される前代未聞の事態に発展した不正疑惑。当時の社内の状況などについて会社から十分な説明がなされなければ、五輪の実績がブランドイメージに深い傷を残す結果となりかねない。
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