「中央線特急」なぜ東京でなく新宿発ばかりなのか 各停も東京駅に入らない、実は「不思議」な路線
中央本線は、東京―名古屋間約400kmを結ぶ国内有数の大幹線。首都圏ではオレンジ色の快速電車「中央線」としておなじみの路線ですが、各駅停車がターミナルの東京駅に乗り入れず総武線と一体化していたり、東京側は「中央東線」、名古屋側は「中央西線」として実質的に分断されていたりと、実は特徴の多い路線です。
フリーライター・小林拓矢氏の著書『JR中央本線 知らなかった凄い話』は、同線にまつわるさまざまな不思議を解き明かしています。同書から一部を抜粋して紹介します。
快速や特快は東京発だが…
多くの人は、中央線の銀色の車体にオレンジ色の帯が施された列車は東京発、中央本線の特急列車は新宿発だと思っているだろう。たしかに一部の特急に東京発の列車もあるが、ほとんどが新宿発なので、その認識で問題は起こりにくい。
黄色い帯が車体に施された各駅停車は、御茶ノ水駅でごく一部の列車が発着するものの、御茶ノ水を境に線路の名称上は、西側は中央本線、東側は総武本線となっている。一般的には「中央・総武緩行線」と一括して呼称され、運転系統も一体となっている。
以前は、深夜帯に東京駅発で御茶ノ水から各駅停車という列車があったものの、2020(令和2)年3月のダイヤ改正で廃止になった。中央線快速のホームドア設置と、グリーン車連結による12両化を前提としたものである。快速は「中央線」ということで都心に乗り入れ、東京駅発着となっている。
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