ヤマダ、問われる再成長と「後継者問題」への答え 創業者・山田会長に聞く世代交代のタイミング
うちとニトリはぜんぜん違う
――ヤマダは経営危機に陥っていた大塚家具を2019年末に子会社化し、2022年5月にヤマダデンキが吸収合併しました。買収は成功だったと言えるのでしょうか。
もちろん、大成功ですよ。家具・インテリアも取り扱っているライフセレクトの店内を見てください。ヤマダオリジナルのSPA(製造小売り)商品だけじゃなく、大塚の商品が数多く並んでいるじゃないですか。
大塚が培ってきた家具での信用、ブランド力の高さはやはりすごい。少々高くても、お客さんは「大塚の商品なら」と信頼して買ってくださる。ヤマダの大きな強みになっている。
大塚の社員たちも非常に優秀で、家具に関する豊富な知見と、販売のスキルを持っている。そうしたノウハウをグループで共有するために、ヤマダデンキと合併させて、大塚家具事業部にした。これからその効果も出てくる。
――大塚の単独店(2022年7月時点で14店)は今のまま残すのですか。
今ある単独店を閉じるつもりはないが、これから大きく伸びるのはヤマダの店頭での取り扱いだ。今後、ライフセレクトの店数がどんどん増えるから、大塚ブランドの販路も全国に広がっていく。
――ヤマダの家具・インテリアの売上高はまだ400億円弱(2021年度実績、大塚単独店含む)ですが、やる以上は、やはりいずれは首位のニトリを抜きたい?
マスコミはすぐそうやってあおるが、家具で1番になろうとは思ってもないし、そもそも、うちとニトリさんはぜんぜん違う。ニトリさんの強みは、ボリュームゾーンの手頃な価格帯の商品を中心としたSPA商品。
一方、ヤマダは手頃な値段のものから、大塚ブランドの100万円を超えるような高級商品まである。それにうちは電気屋だから、オリジナルのSPA商品では電動式のソファやベッドに力を入れている。
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