公立学校の弱体化に危機感を覚える家庭が増え、私学へ流れる子どもが増加している。
ここ数年、増加傾向にあった私立・国立中学受験者数は2022年に5万1100人に達し、過去最多となった。
専門家は、偏差値上位校を第1志望に据えて臨む家庭に加え、偏差値にとらわれずに教育内容の充実度で受験校を決める層が膨らんでいることを増加の原因とみる。志願者数を伸ばしたのは中堅から下の学校群で、従来であれば受験せず地元の公立中学に通っていた層を取り込んでいる。
この春、都内の女子中高一貫校への進学を決めた家庭は、偏差値は決して高くない学校を選んだ理由を「教育内容にひかれたからだ」と説明する。子どもが受験したのはこの学校のみ。中学受験の平均受験校数が5校から6校であることに鑑みればレアなケースだ。父母共に地方出身という共働き家庭で、40代の母親は地元で中学受験を経験し、第2志望の学校に入学した経験がある。
公立学校への「不安」
母親は娘の進学について「本人がいちばん気に入ったところに入るのが幸せ」だと語るが、選んだ理由は明確にある。
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