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ゆとりの反動「ふとり教育」が格差を広げる元凶 検証なし、根拠なしで進められてきた教育改革

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「ゆとり教育」のトラウマから教育内容は増え続けている。現場は疲弊し、置き去りにされる子どもたちがいる。

学習内容は増える一方で教員、子どもともに余裕がない(イラスト:高柳浩太郎)

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明るい未来を共に創っていきたい──。新学習指導要領の解説用リーフレットには、「改訂に込められた思い」としてこんな言葉が書かれている。

今年4月から高校で新指導要領に基づく授業が始まった。一昨年の小学校、昨年の中学校に続く改訂だ。末松信介文部科学相も今年を「大きな節目となる年」と位置づけている。だが、一緒に「明るい未来」をつくる仲間であるはずの教員たちの反応は冷たい。

愛知県内の公立高に勤務する40代の女性教員は「新指導要領は現場の実態にそぐわない」と嘆く。

「高校では国語総合が『現代の国語』と『言語文化』に分かれました。言語文化の時間は週2時間なのに、小説と詩歌、古文も教えないといけない。古文の文法だけで授業時間が終わってしまう」

高校では、生徒が自ら課題を見つけて調べる「探究」の名称が付いた科目が7つ新設された。英語4技能や、ICT教育への対応も求められる。主体的・対話的な学び(アクティブ・ラーニング)の授業も必須になった。

非現実的な「観点別評価」

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