有料会員限定

教員は「普通の勤め人」なのか、残業代支給の行方 内田良氏・寺脇研氏が語る教員の「働き方改革」

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小

教員は「聖職者」か、それとも「普通の勤め人」か。現場と向き合ってきた論客に聞いた。

内田 良(うちだ・りょう)名古屋大学大学院 教授/名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授。部活動の負担や長時間労働など教師のリスクに関する情報を積極的に発信している

特集「学校が崩れる」の他の記事を読む

「一人の労働者、家庭人だと認めてあげるべきだ」

名古屋大学大学院 教授 内田 良 

長時間労働が常態化している公立学校教員の勤務実態について2021年11月にウェブでアンケートを実施し、今年5月に公表した。「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業をしている教員が小学校では59.8%、中学校では74.4%もいた。

注目したいのは、この2年間に管理職から勤務時間を少なく書き換えるように求められた経験のある教員の割合が16〜17%に及ぶことだ。

教員の残業代は「教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)で一律4%と固定化されている。残業時間が多かろうが少なかろうがお金(残業代)とはリンクしない。だから長時間労働はごまかし、教育委員会との間に波風を立てぬようにしよう。そんな心理が管理職に働いていたのではないか。

今回、書き換えを要求された経験の有無をアンケートで問うたのは、2019年に給特法が一部改正され、2020年4月から教員の時間管理が始まったからだ。

次ページ元文部科学官僚の寺脇研氏の見解は?
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
伊藤忠が「8時前出社」導入で出生率急上昇のナゼ
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内