人と同エリアに入らない「パンダ間接飼育」の意味 ひとり立ちと間接飼育を開始、楓浜成長の記録
楓浜といちばん年齢が近い姉の彩浜(さいひん、3歳)が「パンダラブ」にいた頃は、比較的高い3mほどの木によく登っていた。今回、新設した遊具からこの木に渡れるように、1本の大きな木で橋渡ししている。ただ、楓浜は最近、竹を食べる時間が増えているので、遊具のてっぺんに竹を持っていって食べることが多いという。遊具が気に入ったようだ。
つねに1頭が公開休止
現在、「パンダラブ」ではつねに1頭が公開休止となっている。「パンダラブ」には屋内運動場が2カ所、屋外運動場が1カ所の計3カ所の公開エリアがある。対してパンダは、楓浜が引っ越してきて4頭に増えた。また、パンダは暑さが苦手な動物なので、暑ければ屋外運動場を使わず、冷房の効いた屋内運動場の2カ所のみを使い、交代で公開する。この場合は2頭が公開休止となる。
4頭をいつ、どの公開エリアに出すかは、どうやって決めるのだろう。
「最終的には、全頭がすべての運動場に出られるようにしていきます。ただ、新しい場所に移動してきてすぐの頃は、環境に慣れるためにも、ある程度、同じ運動場に解放して、様子を見ます。
それぞれの運動場の遊具は、パンダたちの成長度合いに応じて設計しています。幼いうちは、安全な高い木の上で過ごす習性があるので、高い遊具がある運動場に多く解放します」(中谷さん)
楓浜は「パンダラブ」に来て日が浅いので、同じ運動場にいる時間が長いということだろう。筆者が訪れた5月29日もそうだった。開園直後は、桃浜が外、結浜と楓浜が室内にいて、桜浜は公開休止。
気温が上がった午後に再訪すると、外はパンダ不在になり、桜浜と楓浜は室内、桃浜と結浜は公開休止となった。同じ時間に4頭を見ることはできないが、このように時間をずらせば、全頭を観覧できる可能性は高い。
パンダ7頭は10年前の9頭に次ぐ多さ
アドベンチャーワールドでは現在、「パンダラブ」に4頭、「ブリーディングセンター」に3頭の計7頭のパンダが暮らしている。これまでに17頭のパンダが無事に生まれ育ち、このうち11頭が繁殖のため中国へ渡った。
7頭のパンダがいる状況は、同園として2番目に多い。最多は9頭。10年前の2012年8月10日に優浜(ゆうひん)が生まれ、双子の愛浜(あいひん)と明浜(めいひん)が同年12月14日に中国へ旅立つまでの期間だ。筆者も同年11月末に訪れた。当時は「パンダラブ」が2013年に完成する前なので、公開休止のパンダは現在よりも多かった。
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