中国は「体制上の挑戦」とぶち上げたNATOの狙い 中国も台湾侵略など誤算を犯しうるリスクを指摘
北大西洋条約機構(NATO)はマドリードでの首脳会議で、冷戦終結後で最大規模となる欧州での兵力増強に合意した。
ロシアのウクライナ侵攻に対応し、「即応部隊」を30万人余りに増強するとともに、米ステルス戦闘機F35飛行隊の追加配備などで欧州の防衛体制を強化する。フィンランドとスウェーデンの加盟もほぼ確実となった。これまで2カ国の加盟に難色を示していたトルコが支持に回った。
フィンランドとスウェーデン、NATO加盟へ前進-トルコが支持
NATO首脳はまた、中国の軍事力増強を「挑戦」だと初めて特定。中国に対抗できるアジア太平洋の民主国家との関係強化を図る。今回の首脳会議には岸田文雄首相のほか、韓国とオーストラリア、ニュージーランドの首脳が招待された。
岸田首相、NATOとの大幅な関係強化を模索-首脳会議に初参加
NATOの新たな「戦略概念」は、ロシアがウクライナで戦争を開始し、中国が太平洋で軍事力を強化しつつある新たな時代が始まったことを告げている。
バイデン米大統領は今回の首脳会議を「歴史をつくるサミット」と呼び、ポーランドに常駐部隊を置き、ルーマニアとバルト3国での米軍の態勢を強化すると表明した。
NATOはウクライナに侵攻したロシアをNATOの安全保障に対する「最も重要かつ直接的な脅威」だとする一方、中国は「体制上の挑戦」と明記。今回採択された戦略概念は今後10年の優先課題を示している。
トラス英外相は「中国がウクライナを注視していることをわれわれは認識している」と述べ、中国政府がロシアのように台湾侵略など「壊滅的」誤算をし得るという「リアルなリスク」があると指摘した。
原題:NATO Returns to Combat Stance to Counter a New and Hostile World
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著者:Natalia Drozdiak
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