──残念ですが、治すのは簡単ではないということですね。そうなると染めてなんとかしようと考えるわけですが、自宅で染めると傷むというのは本当ですか?
ヘアカラー、白髪染めなどと呼ばれる染毛剤の場合、美容室よりもダメージが出やすいことはあります。美容室では微調整ができるので、すべてを強い液にしなくても染まります。一方で自宅向けの商品は失敗がないようにと比較的強めです。
また、自宅では薬剤をきちんと落とせていない場合があります。美容室ではトリートメントがセットになっていることも多いので、これも傷みづらいポイントになります。
男性の薄毛は9割が「男性型脱毛」
──「薄毛」を気にしている方も多いと思います。この原因は?
女性と男性で原因が異なります。男性の場合9割以上が男性型脱毛です。これは見た目でわかります。「おでこが広くなる」「そり込みが上がる」「頭頂から輪が広がる」の3つの基本形と、「おでこからと頭頂からの広がりがつながる複合型」「そり込みからと頭頂からの広がりがつながる複合型」の5種類しかありません。
男性型脱毛はホルモンの影響でなります。男性ホルモンであるテストステロンが、ある日突然、血中の酵素と結びつきジヒドロテストステロンに変わってしまいます。これが毛根の成長を邪魔したり、寿命を短くしたりします。
──なぜ、男性ホルモンが変化してしまうのでしょうか?
体質的な遺伝です。遺伝と言ってしまうと、夢も希望もなくなってしまいますが、遺伝を持っていても発現しない、もしくは発現時期が遅い人がいます。予防するにはいかに遅くするかです。そのために大事なのは日常生活です。食事、睡眠、運動、お手入れなどに気をつかい、できる限り髪にいい生活を送るのがよいかと思います。
──アートネイチャーは増毛やウィッグを提供しています。これらは白髪染めなどと比べて、心理的ハードルが高いように感じます。なぜだと思いますか?
男性の場合、減ってから相談に来る方が多いです。マイナスのところから元に戻そうとするので、ウィッグでは変身してしまいます。ここに勇気がいるのではないかと思います。ですので、男性は増毛から始める方がとても多いです。周囲に気づかれないように増やせますので。
あとは、隠すことによる精神的負担があるのではと思います。カミングアウトもされませんし、悩みが深い人ほど増毛やウィッグをすることにも続けることにもハードルがあるように感じます。その点、女性はメイクやファッションに近い感覚なので、気楽な方が多いのではないかと。
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