国鉄最強の電気機関車「EF66」今どこで見られる? カットボディも含め保存されている場所を網羅

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このほかカットボディとなった3両は以下の4カ所で保存されている。

10号機(京都鉄道博物館):1次形更新機で、2010年に廃車後、運転台と前面の一部を京都鉄道博物館で展示している。なお、前頭部は装飾を復元し、国鉄色で塗装されている。

運転台部分のカットボディとなったEF66 10。復元された飾り帯は本数が少なく、分割位置も31号機以降に準じている(筆者撮影)

45号機・46号機(ジオラマ京都JAPAN、ほしあい眼科、パン・オ・セーグル):JR西日本で最後まで残っていた2両。2010年9月に廃車された後、前頭部および台車1軸分のカットボディとなった。外観はJR西日本時代を維持している。

両機の1エンド側は、嵯峨野観光鉄道トロッコ嵯峨駅に隣接したジオラマ京都JAPANに展示されている。特徴は両機の運転台でジオラマの鉄道模型の運転ができることだ。運転台にはモニターが設置されていて、リアル感のある運転を楽しめる。

眼科医が保存しているカットボディも

45号機の2エンド側は埼玉県さいたま市緑区のほしあい眼科で保存されていて、公道からも見ることができる。ほしあい眼科にはひたちなか海浜鉄道キハ22形(元羽幌炭礦鉄道キハ22形)やEF81形のカットボディ、流鉄2000形(元西武701系・801系)のカットボディが保存されていて、家族連れに好評だ。

46号機の2エンド側は奈良県のJR木津駅の近くにあるパン屋、パン・オ・セーグルの店内で保存されている。店内のイートインコーナーには写真なども展示されているようだ。

ジオラマ京都JAPANに展示されているEF66 49と45の1エンド側カットボディ。運転台からHOゲージ鉄道模型の運転をすることができる(筆者撮影)
EF66 45の2エンド側カットボディはほしあい眼科で保存。敷地外からも見ることができる(筆者撮影)

保存されているEF66形0番代はそれぞれに特徴があるので、じっくり見比べてみると面白い。引退後のニーナの動向は非常に気になるところだが、ぜひとも保存されることを願いたい。

松沼 猛 『鉄おも!』編集長

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まつぬま たける / Takeru Matsunuma

大阪府出身。明治大学文学部卒。株式会社三栄書房に20年間在籍し、編集者として世界各地を飛び回った。2008年12月から『鉄道のテクノロジー』編集長を務めた後、2013年5月に独立。現在は『鉄おも!』編集長のほか、『鉄道ジャーナル』『ニューモデルマガジンX』『カーグッズマガジン』、鉄道、自動車関連ムックなどに執筆。

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