国鉄最強の電気機関車「EF66」今どこで見られる? カットボディも含め保存されている場所を網羅

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1985年には24系ブルートレイン「はやぶさ」を15両編成化し、EF65形の牽引定数を上回ったため、EF66形0番代が牽引機に抜擢された。

 2次形35号機の国鉄時代。前面窓に庇の陰がある。また、側面の点検蓋が移動した関係で、製造銘板の位置がやや下に移動している。4分割の排熱口は1次形16号機以降に採用された(筆者撮影)

1987年の国鉄分割民営化で、EF66形0番代のうち40両(901号機含む)がJR貨物に承継。16両がブルートレイン牽引用として、JR西日本に承継された。

JR貨物機は2次形の屋根上にクーラーを搭載したほか、スカートの助士席下に元空気ダメ管とホースを新設した。パンタグラフも一部を除いて下枠交差形のPS22に交換。また、10000系貨車が廃車された後、密着自動連結器と一体となっていた元空気ダメ管が撤去されている。

JR貨物に承継されたEF66 33の2007年の姿。運転室の屋根上にクーラーが搭載され、パンタグラフをPS22に交換。また、スカートには元空気ダメ管用のホースが追加され、密着自動連結器に付いていた元空気ダメ管の栓が撤去されている(筆者撮影)

0番代の一部は1993〜2006年に更新工事を受け、機器類の更新やその際に象徴的だった装飾が撤去され、塗色もJR貨物色(旧更新色)に変更した。1次形は通風口も廃止されている。

更新工事により装飾が撤去され、JR貨物標準の白+ディープブルーに塗色を変更して印象が大きく変わった(筆者撮影)

塗装を国鉄色風に変更

2004年以降の更新工事では車体の腰板を撤去しており、その際2次形は銘板を点検蓋に移設している。また塗装も国鉄色風の新更新色に変更。ただし帯の位置は裾部となり前面にも回り込んでいる。また、16・54号機の帯は白帯で、手すりも白に塗装。19・20号機は前面の手すりが白いなど、他機と相違があった。なお旧更新色も順次新更新色に塗り替えられた。

2004年以降の更新機は車体の腰板を取り除いたため、裾部に段差がある、2次形では銘板が干渉するため、点検蓋に移動させた(筆者撮影)

最後の更新機となったのが27号機、ニーナだった。2006年に更新されたニーナは装飾が存置され、腰板を撤去したため銘板は移動したものの、塗色は国鉄色をほぼ踏襲。違いは庇がグレーになった程度だったため、人気となった。そして0番代最後の1両となり、その人気は不動のものとなった。

EF66 27も2004年以降の施工車と同じく、車体の裾部に段差があり、銘板が移動している。しかし前面の装飾と、国鉄色の塗り分けが維持されたことで、限りなく原型に近い姿を保っている。写真は5月21・22日の撮影会時のもので2エンド屋根上のクーラーを取り外している(筆者撮影)
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