パウエル議長の注目はPCEコア価格の前月比上昇率 引き締め鈍化の条件は前月比上昇率が0.2%以下
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長はインフレ後退を示す「明確で納得できる」証拠が得られるまで利上げを続けると示唆しているが、そうした目標への到達はまだ遠いとエコノミストらはみている。ブルームバーグ・ニュースの調査で分かった。
調査ではエコノミストの過半数が、政策引き締めペースを鈍化させる議長の目安は、変動の大きい食品・エネルギー価格を除く個人消費支出(PCE)コア価格指数の前月比上昇率が数カ月にわたり0.2%以下となることだと回答。連邦準備制度はPCE総合価格指数をインフレ目標の基準としている。コア価格指数の前月比上昇率は4月までの1年間で平均0.4%、今年に入り毎月0.2%を上回っている。
米個人消費支出、インフレ調整後ベースでも堅調-貯蓄率は低下
10日に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)によれば、変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比6%上昇、前月比0.6%上昇となった。総合CPIは前年同月比8.6%上昇と、40年ぶりの大きな伸びを記録した。
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