同級生の前で「残してごめんなさい」心の傷に… 教師の完食指導で「会食恐怖症」になる子ども達
子どもたちにとって美味しく楽しい時間であり、栄養補給や食育を学ぶ機会でもあるべき給食。しかし、一部の教育現場では「残さず食べなさい!」と強いる、行き過ぎた「完食教育」が令和になっても行われている実態がある。
一般的に考え、食べ残しは確かにいいことではないが、かといって無理やり食べさせるのは正しいのだろうか。
直面した場合、保護者はどう向き合うべきか。適切な給食指導の情報を発信し続けている、月刊給食指導研修資料(きゅうけん)の代表・山口健太さんに聞いた。
みんなの前で「ごめんなさい」と謝罪させられた
──完食教育の行き過ぎた事例があれば教えてください。
全員で残さず給食を食べよう、という目標にしていたクラスで、食べられなかった生徒は、みんなの前で「ごめんなさい」と謝罪させられたそうです。お子さんによっては、トラウマになってしまうようなことだと思いました。
──教育現場での完食教育は減っているか、もしくは増えているか、どう感じていますか?
ここ2~3年では減っていると思います。社会が「無理やり食べさせるのはよくない」「今どきそんなことをしているの?」という風潮になっていますし、そういった指導をする教員は目立ちます。とくに学校は保護者会もありますし、問題になりやすいのです。