100人の村で考える「モテ期は3回」が意味するもの 中央値と平均値を知る事で見える世界が変わる
これまで見る機会の多かった平均値に加えて、中央値も見たうえで判断することが大切なのです。そうすれば、「所得の平均値と中央値の両方が100万円下がった」という実態を知ったうえで、例えば副業や転職などの対策を立てることもできるでしょう。
「日本人の中央値は49歳」という事実
2022年4月、日本の成人年齢が18歳に引き下げられました。この背景には、日本やアメリカを含めた38カ国の先進国が加盟する、経済協力開発機構の基準に合わせる狙いがあるとされています。
年齢の引き下げによって、18歳、19歳も一斉に成人になったことで注目を集めました。
例えば成人になると、途端に十分な判断力がある人だと扱われるようになります。親の同意なくクレジットカードを作成できますし、賃貸契約や起業する際の融資契約、10年有効のパスポートも取得できます。
さらに、女性が結婚できる年齢は16歳から18歳に引き上げられ、男女とも18歳になりました。これはジェンダー平等の観点による改正とされています。
同時に改正少年法も施行し、18歳、19歳は「特定少年」と位置づけられ、略式を除いて、起訴された場合は実名報道が可能になりました。一方で、喫煙・飲酒・競馬などのギャンブル、国民年金への加入義務は変わらず20歳のままのようです。
これだけざっと見ても、新成人の方々は何ができて、何ができないのか、覚えることが多くて大変だと思います。新成人を担当される教師の方々や、親御さんも心配事が尽きないだろうと想像できます。
そんな状況で、例えば「もう18歳だから自己責任だからね」と突き放すような言葉は、冷たすぎるというものです。そんなことを言う人はいないと信じていますが。
そこで機転を利かせると、例えば「日本人の年齢の中央値は49歳」という情報が役に立ちます。令和2年の国勢調査によると、2020年時点で秋田県の年齢の中央値は57歳、高知県で54歳、青森・岩手・山形・徳島県で53歳です。
成人は18歳からというものの、なんなら30代、40代も、人生においてはまだまだ若輩者であるという見方ができるかもしれません。新成人の方々の周りには、社会経験が豊富なベテランたちが闊歩していることに気づかせてもくれるでしょう。
振り返れば、私たち大人はコロナ禍の際、学生から「修学旅行」「留学」「甲子園」などを問答無用で取り上げてしまったことも考えなければなりません。青春時代に受ける外的要因は、たとえ小さなことだとしても、まるでバタフライエフェクトのように人生を大きく左右するものなのです。
平均値だけでなく、中央値も踏まえて考えることで、見える世界の解像度も、言葉選びも変わってくるはずです。
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