プーチンの「絶対ブレない」日本に対する本音 大国として振る舞うロシアが認める大国

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「大国」であろうとし、実際にそのように振る舞うロシアは、他国に対しても同じような基準で値踏みをします。つまり、「大国」として一目置くべき相手なのか、そうでないのかということです。

たとえば、プーチン大統領は2017年に「ドイツは主権国家ではない」と発言したことがあります。アメリカで「アメリカ・ファースト」を唱えるトランプ政権が成立し、当時のメルケル首相が「もう大西洋の向こうの同盟国に頼れない時代が来た」と発言した際のことです。そんなことを言って外国に安全保障を依存するような国は、同盟の盟主(この場合はアメリカ)から「主権を制限」された状態にあるというのです。

しかし、アメリカやロシアのように強力な軍隊と核兵器を持ち、同盟に依存することなく安全保障を全うできる国というのはそんなにたくさんありません。実際、プーチンはこのとき、「世界に本当の主権国家はそう多くない」と述べ、その数少ない例外が中国とインドであるとしています。

要するに、独自の核戦力を持って非同盟を貫ける「大国」だけがプーチン的世界観では本当の主権国家なのだということになるのでしょうし、この基準でいうとドイツのような経済大国でさえ「主権を制限された国」になってしまうのです。

「ウラジーミル」は日本をどう見ているか

こういう世界観からすると、日本がロシアから主権国家扱いされていない、ということに必然的になります。日本は核保有国ではなく、日米安全保障条約によって抑止力を担保しているからです。

2016年にプーチン大統領が日本を訪れたとき、「日本は条約上の義務を負っている。どこまでできるのか見極めなければならない」と述べました。この「条約上の義務」という言葉をその後もプーチン大統領は何度も繰り返していますが、その意味するところは「日本はアメリカに逆らえない国ではないか」ということです。

当時の安倍政権はそれでもロシアへの積極外交を展開し、安倍首相自身もプーチン大統領をファーストネームの「ウラジーミル」と呼んでロシア詣でを繰り返しましたが、残念ながら徒労に終わりました。

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