新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われている中国は今年、35兆5000億元(約676兆円)規模の景気対策を実施する。
これまでに発表された金融・財政措置を基にブルームバーグが算出したこの数値は、中国の経済規模17兆ドル(約2172兆円)の3割強だ。だが実際は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まった2020年の景気刺激策よりも小規模で、中国経済が今の低迷から抜け出せなければ、李克強首相が今週示唆したように、さらなる対策が講じられる可能性はある。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の曲天石エコノミスト(中国担当)は「今年の政策は財政支出と政府投資が中心で、中国人民銀行(中央銀行)はサポート役にとどまっている」と指摘。「現在の成長を支援する上でより効果的な財政政策を強化する余地はまだ大きい」と述べた。
今年これまでに約束されたブルームバーグ集計分の35兆5000億元に上る財政・金融支援には、財政面で中国の一般予算支出、地方政府の特別債や減税・料金引き下げが含まれる。金融政策措置は、人民銀の流動性供給や市中銀行の預金準備率引き下げ、コロナ禍の中小企業やグリーンプロジェクトを支援する低金利融資などだ。
中国経済見通しの引き下げ相次ぐ-今年2%成長との予想も