資産家イーロン・マスク氏はツイッター買収について、当初提示した額より低い価格での取引実行の可能性も「論外ではない」だろうと述べた。これを受け、市場ではマスク氏が買収の再交渉を目指すのではないかとの観測が高まった。同氏は先に1株当たり54.20ドルを提示している。
16日の米市場でツイッターの株価は7営業日続落し、8.2%安の37.39ドルで終了。マスク氏がツイッター株9%取得を開示した前営業日の4月1日の終値39.31ドルを下回り、この開示を受けた上昇分が消失した。
マスク氏が440億ドル(約5兆7000億円)でのツイッター買収案を全て撤回しかねないとの懸念から同社株は下げが続いている。ツイッターが公表したスパムと偽アカウントの割合についてマスク氏が疑念を示したことで、こうした懸念は過去1週間に強まった。
偽アカウントは全アカウントの20%との推定
ツイッターは直近の決算報告で偽アカウントの割合を平均5%未満と説明したが、マスク氏は16日、マイアミでのテクノロジー関連会議で、少なくとも全アカウントの20%との推定を示した。あるツイッターユーザーが投稿したライブ動画によると、マスク氏は90%に上る可能性もあるのではないかと大げさに問い掛けた。ツイッターはコメントを控えた。