「パートは無理」から変わった育休の「新しい制度」 「産後パパ育休」導入で父親の育休も一歩前進

拡大
縮小

ユミさんの出産を機に、育休を取得しようと考えたケンジさん。ユミさんは出生後8週間は従来どおり産後休暇(産休)が取れます。ケンジさんも今回創設された制度を使って休暇を取ることを会社に相談しました。

上司はケンジさんの意向を尊重する姿勢を見せていましたが、出産時期がちょうど部署の繁忙期と重なってしまい、8週間まるまる休みを取るのは難しい状態でした。

そこでケンジさんは、まず出生後1週間だけ育休をとって里帰り出産中のユミさんの入退院をサポートすることにしました。その後、ケンジさんはいったん職場に復帰し、実家で過ごしていたユミさんが、産院での1カ月検診を終えて自宅に戻るタイミングで、再度2週間の産後パパ育休を取ることにしたのです。

育休制度をわかりやすく解説

育児休暇は、出生日から子どもが原則1歳(保育園に入れない場合などは最長2歳)になるまでの間に取得できる休暇です。母親は出産後8週間の産後休暇があるので、その後に育児休暇をとるケースがほとんどです。

出生直後の8週間は、母親が産院から退院して家に戻ってきたり、あるいは里帰り出産から帰宅したりするなどで、家族の協力が必要になるため、父親が育休取得を希望する割合が最も多い時期です。

今回の改正で創設された産後パパ育休は、前述の育児休暇とは別に、出生後8週間以内に4週間までの休暇を取得できる制度です。また、本人が希望すれば2回に分けて取得することも可能です(分割取得も最初にまとめて申し出ることが必要)。

現行の制度でも「パパ休暇」として、出産後8週間以内に育児休暇を取得した場合、8週間後にも育児休暇を再取得できるようになっていました。このパパ休暇は廃止され、分割取得が可能な産後パパ育休が新たに創設されたのです。

再びケンジさんとユミさんの夫婦に話を戻しましょう。

次ページ新設された「育休の分割取得」
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT