年齢性別問わず人気急上昇、原付二種が売れる訳 活況のバイク業界を牽引、小排気量の魅力とは

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第49回 東京モーターサイクルショーに出展されていた新型のスーパーカブ110(筆者撮影)
第49回 東京モーターサイクルショーに出展されていた新型のスーパーカブ110(筆者撮影)

ただし、原付一種は、片側3車線以上の道路にある交差点で2段階右折が必要で、最高速度は30km/h以下。対する原付二種は、2段階右折は不要で、速度規制がなければ最高速度は60km/h以下。どちらも高速道路を走行できないことは同じだが、一般道を走るうえでの条件はかなり違う。原付二種のほうが、公道を走るうえでの規制が少ないことも、近年人気が高い理由のひとつだといえる。

原付二種の増加データ

日本自動車工業会が発表した2輪車の出荷台数データ
日本自動車工業会が発表した2輪車の出荷台数データ

日本自動車工業会が発表した2輪車の出荷台数データによれば、2021年度の原付二種は12万5674台。2011年度では9万5702台であったから、10年前と比べて約31%の増加率だ。また、2021年度は、2輪車全体の出荷台数が37万8720台であったから全体の約33%を占める。2011年度では、2輪車全体の出荷台数は40万5533台で、原付二種の比率は約23%だったことを考えると、全体に占める割合もほぼ10ポイント増加したことになる。

一方、原付一種の出荷台数は、2011年度の25万7045台から2021年度は12万7736台と、10年間で50%以上の減少率だ。2輪車全体に占める割合も、10年前は約63%あったが、10年後の2021年度では約33%と約半分になった。出荷台数が年々減少する原付一種と対象的に、原付二種は、徐々に存在感を増しているといえる。

2輪車は、コロナ禍の影響が出た2020年以降、密を避ける移動手段として注目され、販売台数は増加傾向だといわれる。実際に、同じく日本自動車工業会が公表する2輪車全体の出荷台数データでは、コロナ前の2019年度が33万1207台、コロナ禍直後の2020年には32万8346台とやや減少するが、前述したとおり、2021年度には37万8720台と5万台以上の増加となり、2019年度を凌ぐ台数となっている。また、2022年度も、1月から3月までの出荷台数は9万8685台で、対前年比で約14%の伸びをみせているので、依然として好調だ。

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