年齢性別問わず人気急上昇、原付二種が売れる訳 活況のバイク業界を牽引、小排気量の魅力とは

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ホンダのクロスカブ110(筆者撮影)
ホンダのクロスカブ110(筆者撮影)

ホンダでは、ほかにもスーパーカブ110をベースにアウトドア的なテイストのスタイルや装備を持つクロスカブ110(税込み価格36万3000円)、125cc版の「スーパーカブC125(税込み価格44万円)」、そのアウトドア版の「CT125・ハンターカブ(税込み価格44万円)」など、充実のラインナップを揃え、いずれも高い人気を誇る。

125cc版のCT125・クロスカブ(写真:本田技研工業)
125cc版のCT125・ハンターカブ(写真:本田技研工業)

これらモデルは、日常の足だけでなく、ツーリングなどレジャー用途に使うライダーも多いことが特徴だ。高速道路こそ走行できないものの、一般道をのんびりと走り、郊外の景色を楽しんだり、後席のキャリア(荷台)に荷物を積載しキャンプなどのアウトドアに出かけたりなど、さまざまな用途で使えることが人気の秘密だ。

復活を果たしたホンダのダックス125(筆者撮影)
復活を果たしたホンダのダックス125(筆者撮影)

ほかにも東京モーターサイクルショーでは、1960年代後半から1970年代に人気を得た50ccや70ccのレジャーバイク「ダックスホンダ」を復刻させた「ダックス125(税込み価格44万円)」も出展。ホンダは、2018年に同様のレジャーバイク「モンキー」を復活させた「モンキー125(税込み価格44万円)」も発売し大ヒットしたが、ダックス125はそうした復刻レジャーモデルの第2弾となる。

時代の移り変わりを感じる原付バイクの流行

ホンダのモンキー125(筆者撮影)
ホンダのモンキー125(筆者撮影)

最近国内で販売されている110ccや125ccといった排気量のバイクは、2輪車が大きなセールスを記録している東南アジアやインドなどに向けて作られたモデルが多い。生産もアジアなど現地で行っているモデルがかなりあり、日本だけでなく、欧州などにも輸出されている、いわばグローバルモデルだ。ほぼ日本だけの販売となる原付一種のスクーターなどと比べると、世界的に販売できることで、大きな売上高も見込める。メーカーが国内でもラインナップを充実させやすい背景はそこにもある。

輸入車でも原付二種が増加。こちらはベネリのTNT125(筆者撮影)
輸入車でも原付二種が増加。こちらはベネリのTNT125(筆者撮影)

余談だが、筆者がバイクに乗りはじめた1980年代初頭では、原付といえば50ccのスクーターやスポーツモデルが花形で、125ccなどの原付二種は、中途半端な排気量である感が強かった。まずは16歳で原付免許を取得し、手軽に乗れる50ccのバイクに乗る。

そして、当時でいうところの中型限定二輪免許(現在の普通自動二輪免許)を取得し、250ccや400ccといった軽二輪にステップアップするのが王道で、125ccのバイクに乗るライダーはあまりいなかったためだ。それが今では、初心者からベテランまで、多くの層が原付二種に乗ることを考えると、時代の大きな変化を感じる。いずれにしろ、2輪車業界の躍進を牽引するこのジャンルは、今後もさまざまなモデルが市場投入されるなど、より充実ぶりを見せることは間違いないだろう。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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