米株式からの大量資金流出は始まったばかり 先週、米大型株から流出した資金は約200億ドル

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米連邦準備制度理事会(FRB)が発信するメッセージがタカ派的な語調を強める中、米株式ファンドから大量の資金が流出したがこれはまだ序の口だと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストらは警鐘を鳴らした。

4月20日までの1週間に米大型株から引き揚げられた資金は196億ドル(約2兆5200億円)と、2018年2月以来の多額だったとBofAのストラテジストらはEPFRグローバルのデータに基づいて指摘。米株式ファンド全般からの資金流出は昨年12月以来の額だったという。

マイケル・ハートネット氏率いるBofAのストラテジストチームは、「誰もが弱気になっているが、反転の動きは始まったばかりだ」と指摘。「極端なインフレ」環境と、米金融政策が引き締められる中での金利ショックはようやく実感されるようになったに過ぎないと続けた。フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き上げ幅については、「75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)は、新たな25bpとなった」と表現した。

FOMCは4会合連続で0.5ポイントの利上げか、短期市場が織り込む

 出所:ブルームバーグ

金利上昇が及ぼすマイナスの影響を警告するのは、ハートネット氏に限らない。グレアム・セッカー氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは、ここ数週間で米実質金利が急激に上昇したことについて、今のところは世界的な株式への影響は限定的だが近く変わる可能性があるとリポートで指摘した。

「実質金利の上昇はまだ株式に響いていない」とセッカー氏。「ここから先は、実質金利の一段高を相殺する余地が株式のバリュエーションにほとんど残されていない」と述べた。

原題:BofA Strategists See U.S. Equity Outflows Just Getting Started(抜粋)

 

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著者:Michael Msika

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