利用エリア外でもお得、「Suicaパス」上手い使い方 乗り越し精算活用、通常往復より800円安区間も

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もう少し足を伸ばして伊東まで行く場合もお得だ。東京―伊東間は通常往復4620円、区間分割だと東京―大船間往復1640円+大船―伊東間往復2680円=4320円で安くなるのは300円だが、パスだと2670円に小田原―伊東間往復1364円を足して4034円と、586円も安くなる。

このほか、新宿、千葉、船橋、海浜幕張、大宮、浦和、柏、海浜幕張、北千住から伊東へ行く場合も試算した。特に千葉県や埼玉県の東京寄りのエリアからだとかなりお得になる。

【新宿―伊東間】
通常往復4620円
<パス利用>
2670円+小田原―伊東間往復1364円=4034円(通常より586円安い)
【千葉―伊東間】
通常往復6160円
<分割購入>
千葉―大船間往復2900円+大船―伊東間往復2680円=5580円
<パス利用>
2670円+小田原―伊東間往復1364円=4034円(通常より2126円安い)
【船橋―伊東間】
通常往復5280円
<分割購入>
船橋―大船間往復2200円+大船―伊東間往復2680円=4880円
<パス利用>
2670円+小田原―伊東間往復1364円=4034円(通常より1246円安い)
【大宮・浦和・柏・海浜幕張―伊東間】
通常往復5280円
<パス利用>
2670円+小田原―伊東間往復1364円=4034円(通常より1246円安い)
【北千住―伊東間】
通常往復4620円
<パス利用>
2670円+小田原―伊東間往復1364円=4034円(通常より586円安い)

要注意!絶対安くなるわけではない

ここまでの例を見ると、パスと乗越精算のほうが、区間を分割して乗車券を買うより必ず安くなるようなイメージを抱いてしまいそうだが、実はそうでない区間もあるので注意してほしい。

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例えば東京―銚子間の往復は通常4620円だが、途中の幕張で区間を分割し、東京―幕張間往復1140円+幕張―銚子間往復3040円とすると計4180円と440円安くなる。一方、パス2670円+成東―銚子間往復1540円だと4210円で、こちらのほうが30円高い。もっとも30円の差でしかなく、Suicaのパスなら改札機で自動精算されるのでこのほうが楽ではある。

だが、私鉄との競合により特定運賃を設定しているような区間を含む場合はやっかいだ。例えば新宿―甲府間だ。同区間の通常往復は4620円。だが、京王線と競合する中央線の新宿―八王子間は割安な特定運賃区間なので、八王子で区間を分割して新宿―八王子間往復980円と、八王子―甲府間往復3040円に分けて買うと合計4020円と600円安くなる。

これに対し、パス2670円+大月―甲府間往復1716円だと計4386円で、通常に比べ234円しか安くならない。もちろん、これでも普通に切符を買うより安くなるので損というわけではないし、区間分割はどこで分ければいいかをいちいち調べるのも面倒だ。だが、やっぱり600円も安くなるなら……と思う方は分割購入を検討したほうがいいだろう。

また、のんびりホリデーSuicaパスは、新幹線については特急券を追加購入しても利用できない。もし新幹線も使いたい場合は紙の切符「休日おでかけパス」(2720円)を使う必要がある。

いかがだったであろうか。物価上昇意識の高まりからゴールデンウィークでも旅行を控える人は多いかもしれないが、そんなときこそ、今回のような近場へ安く日帰りで出かける方法は使えるのではないだろうか。ぜひ楽しみながら実践してみていただきたい。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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