「洗脳」、狂気じみた人々を計画的に生む驚愕歴史 教科書に載らない史実、おぞましい人体実験
さらに、シチュエーションも計算済みでした。
人間は自由な意思で行動しているかに見えて、実は共通の心の動きがあります。例えば、暗い場所にいて光が差してくれば、人は誰でも光の方を見てしまいます。ヒトラーはこうした人間の本能的な反応を利用し、サーチライトの光が発する方に立って演説したり、暗闇の中で自分だけにスポットライトを当てたり、時には壮大な夕焼けをバックに現れるなどの手法を使ったのです。
それだけではなく、人間の心理的抵抗が最も弱い夕暮れ時に演説の時間を設定し、他人の言うことを素直に聞き入れることを計算して演説しています。このようなシチュエーションから集団催眠の効果が生まれ、参加した国民が皆で「ハイル・ヒトラー」と叫べば興奮と集団意識によって、ヒトラーを無意識に絶対肯定してしまったのです。
このような人間の心理を熟知していたナチスが「訓練」と称し、洗脳の実験に利用したのが「アドルフ・ヒトラー・シューレ(AHS)」と呼ばれる教育機関でした。
ここは12〜18歳の青少年が集められた、ナチスの将来を担う幹部候補を育てるためのエリート教育機関です。そのため、当然厳しい戦闘訓練や手足の上げ下げの角度に至るまでの規則もありました。
しかし、AHSの恐ろしさはこれらの厳しい規則だけではありません。
わずかな証言が残っているだけなのですが、脳に未知の光線を照射されたり、未知の薬を飲まされたり、特殊な磁波の中で瞑想したりといったことも行われていたというのです。
ヒトラーは超人思想の持ち主だったといわれていますが、この機関も超人を作ろうとしていたのかもしれません。その真偽は定かではないのですが、青少年たちは確実に冷酷なナチ・エリート隊員へと変貌していったことでしょう。
知らず知らずのうちに数万人が参加していた闇の実験
第二次世界大戦が終わり、ナチス・ドイツの科学者がアメリカに渡ると、彼らはある実験に深く関わったとされました。それが1953年からCIAによって行われた洗脳実験「MKウルトラ」です。
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