いつの時代も"デラックス"、「東武特急」名車列伝 懐かしの「DRC」から追い続けた憧れの列車たち

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DRCの後継車は1990年6月から運転開始し、今も活躍する100系「スペーシア」だ。6号車にはヨーロッパの国際列車のようなコンパートメント4室を備え、3号車にはサービスカウンターとビュッフェもある上質な車両だが、残念ながらこれは現在営業していない。

JR東北本線を走る「スペーシア」(撮影:南正時)

その後の東武特急の歴史で特筆されるのは、かつて日光への乗客獲得を競っていた旧国鉄(JR東日本)との共同運行が2006年3月に実現したことだ。スペーシアとJRの485系改造車や初代成田エクスプレス253系改造車による特急が新宿―日光間で直通運転するようになった。かつてライバル同士だった鉄道の「相互乗り入れ」は国鉄民営化のたまものであろうが、筆者にとっては印象深い出来事だった。

赤い「りょうもう」1800系

東武の優等列車を語るうえでは、急行「りょうもう」で活躍した1800系も忘れてはならない。伊勢崎線系統の有料急行列車用車両として1969年に登場。1991年、「りょうもう」用としてさらにグレードアップした200型が登場すると、6両編成の300型と4両編成の350型に改造された。

東武宇都宮―浅草間を結んだ350型の特急「しもつけ」(撮影:南正時)

1991年には350型による野岩鉄道経由、会津鉄道乗り入れの直通急行「南会津」がデビューした。観光シーズンの金・土曜日、休前日に運行された会津高原尾瀬口駅行きの「尾瀬夜行」も印象深かった。300型は2017年に引退し、350型も土休日運転の「きりふり」での運用を最後に2022年3月のダイヤ改正で定期運用を終了した。

一方、「りょうもう」は1999年3月のダイヤ改正で全編成が200型・250型に置き換わったことにより、スペーシアと並んで「東武特急」の二枚看板に昇格した。そして200系がデビュー30年を迎えたサプライズとして、2021年8月にはかつての1800系のローズレッドとホワイトの「ペコちゃん塗装」を再現して東武ファンを喜ばせた。

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