いつの時代も"デラックス"、「東武特急」名車列伝 懐かしの「DRC」から追い続けた憧れの列車たち
東武鉄道でもっとも新しい特急車は、2017年4月から営業を開始した「リバティ(Revaty)」500系電車である。日光・鬼怒川方面への観光輸送を主眼としたスペーシアに対し、リバティは3両編成で併結・分割が可能な身軽さを生かし、観光から通勤まで北関東一円の輸送を担うのが特徴である。
特筆されるのは、浅草から東武、野岩鉄道、会津鉄道経由で南会津の会津田島まで「リバティ会津」がロングラン直通運転していることであろう。筆者は昭和40年代、蒸気機関車の撮影でよく田島を訪れたが、その時代は「山奥の終着駅」といった雰囲気のローカル駅で、首都圏からは夜行列車を乗り継いでアクセスするような地域だった。それが現在では最新の私鉄特急電車が直通運転するようになり、筆者には隔世の感が強い。
今年(2022年)の2月に豪雪の南会津へリバティに乗って訪れたが、深い雪の中を走り定時に会津田島に到着したのには正直驚いた。JR只見線は豪雪で運転休止している中での快走だった。
新型特急はどうなる?
東武鉄道は2021年11月に100系スペーシアの後継車両「N100系」6両編成4本を2023年に投入すると発表した。「スペーシアが築いてきた伝統や認知度・イメージを維持・継承しながら、より上質なフラッグシップ特急」(東武鉄道)という。
イメージ図を見ると、近年のJRや私鉄他社に見られる標準的な特急車両のデザインとも思えるが、東武のリリースによると塗装は「日光東照宮陽明門・唐門・御本社に塗られた『胡粉(ごふん)』の白を彷彿とさせる高貴な白をイメージしたもの」とされており、「和」のイメージも強調しているようだ。
筆者のようにDRCの印象を引きずっている東武ファンにしてみれば、その面影を新型に多少なりとも踏襲してほしいと思うのは年寄りのわがままな願望であろうか。
いずれにしても「リバティ」に次ぐ新たな東武特急車両は楽しみなところである。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら