また、〝現在ネイルケアをしているが、いつまで続けたいか〟という問いには半数以上が「70歳以上まで続けたい」と答えている。ネイルケアをしている人の目的は、「ファッションとして」「美容のため」「健康(衛生)のため」などが挙げられた。
「〝ネイルケアをしているシニア世代をどう思うか〟には、「おしゃれ」「金銭的余裕がありそう」「若々しい」など好意的な意見が上位を占め、「若作り」「みっともない」「恥ずかしい」といった否定的な意見は少数にとどまった。
ギフトで体験をして、やみつきになるシニア女性も
美智子さんの施術を担当したネイリストさんにも話を聴いてみた。
「シニアのお客様の場合、娘さんやお友だちのご紹介でいらっしゃる方が多いですね。みなさん、最初はおそるおそる……というご様子なのですが、一度体験されると、また足を運んでくださいます」
誕生日のプレゼントや敬老の日のギフトで〝ネイルケア体験〟をして、やみつきになるシニア女性も多いという。
「初めは〝なるべく控えめな色にして〟とおっしゃっていた方も、回を重ねるうちに〝今度は赤にして〟とか〝パープルがいいわ〟とか、〝攻め色〟を選ばれるようになります。高齢の方は、はっきりしたお色を塗った方が、お肌がきれいに見えることもあるんですよ。〝爪に目が行くので、手のアラが目立たなくていいの〟とおっしゃる方もいます。
また、お色は塗らず、爪や角質のケアだけされる方もいらっしゃいます。長年水仕事などをされてきたシニアの方は、甘皮の量が増えて固くなっているのですが、丁寧に取り除けばきれいな指先になります」
ちなみに美智子さんが体験したハンドケアとジェルカラーの施術代は合計で1万円ほど。2回目以降はこれにジェルオフの料金がプラスされるという。ただ、きれいな状態を保つには、毎月ネイルサロンで〝お直し〟をする必要がある。
「少し贅沢かもしれませんが、今まで労ってこなかったぶん、自分に手をかけようと思っています。爪がきれいになったらうれしくて、今はお皿を洗うときもきちんと手袋をしているんですよ。ハンドクリームもまめに塗るようにしたらしっとりとしてきて、なんだか、とても楽しくなってきましてね」
美智子さんが手をひらひらさせると、ふわりと甘い香りが漂った。
手を見られるのがいやで、宅配便を受け取るのも躊躇してきたけれど、今は怯まずにドアを開けられるという。
「年を取れば美醜なんて気にならなくなる、というのは乱暴です。気にしていると思われたら辛いから、気にしないふりをしている人も多いんじゃないかしら。私は、思い切って〝美しくなりたい〟と声に出せてよかった。一生、もっときれいにしたいなと思いながら、この手を可愛がっていきたいと思います」
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