「京王ズ」上場廃止危機、光通信はどう動く? 不正会計が解決せず、タイムリミットに
年明け早々の株式市場で、ひそかに注目されている事案がある。光通信の上場子会社「京王ズホールディングス」(東証マザーズ上場)が、上場廃止の危機に瀕している件である。2012年に受けた、特設市場注意銘柄の指定解除が未だに受けられず、上場廃止の猶予期限が間もなく到来する。1月19日までに報告書を提出することが、上場維持のためのラストチャンス。その期限は刻々と迫る。
実は光通信がこの会社を子会社化したのは2014年5月。長年創業者による会社の私物化が続き、光通信が子会社化しなければ、多くの個人株主を巻き添えにして上場廃止に向かって突き進んでいたはずだった。
子会社化後、光通信が派遣した“進駐軍”によって過去の膿が炙り出されつつあるとはいえ、依然として上場廃止寸前の崖っぷち状態であることに違いはない。「京王ズ」は、はたして上場を維持できるのだろうか。
期限内に決算報告できず
東北地方にauとソフトバンクの店舗網を持つ携帯ショップ経営大手の京王ズが、2015年3月期第4四半期の四半期報告書を提出期限内に公表できないことを明らかにしたのは、公表期限の前営業日の2014年12月12日だった。
京王ズは決算期を従来の10月から光通信と同じ3月に変更した関係で、2015年3月期は17カ月決算になる。このため、2015年3月期の第4四半期は2014年8月から10月までの3カ月間。この期間の四半期報告書及び短信公表期限は本来12月15日だった。
期限内の公表を断念した原因は、外部機関による調査で、過去の会計処理に関する疑義が指摘されたため。社内調査委員会を発足させて調査を実施し、本来の期限から1カ月遅れの「1月15日までに必要な過去の決算修正と、遅れていた第4四半期の開示を行う」(同社法務広報課)という。
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