銀行、証券からコンサル会社までFAのプレーヤーを総ざらい。
私がこの業界に入った頃は、すべてが手探りでした──。あるベテランフィナンシャルアドバイザー(FA)は、こう切り出した。
このFAがM&Aの世界に飛び込んだのは1990年ごろ。今ではそれほど珍しくない100億円規模の案件でも、「メガ案件」と呼ばれていた時代だ。
国内には参考になる事例が乏しく、海外の案件をひたすら研究、弁護士や会計士などと議論を重ねながらさまざまな手法を検討し案件を進めていったという。
当然、FA業務に携わる人も限られていた。そのため、当時のFAは「『この人にお願いする』という、属人的な仕事だった」(前出のFA)という。
ところが、90年代後半に入ると状況が一変する。山一証券の破綻を皮切りに、大手の金融機関の合併や再編が始まったからだ。M&Aは、それまでの身売りや乗っ取りから企業戦略の1つとなり、案件も続々と増えていった。
それとともにFAの働き方も変わる。案件数の増加に伴って経験を積んだ人材も増え、携わるメンバーが個人からチームへ、そして会社へと変貌していったのだ。その結果、「どこの誰を頼るかではなく、どの案件をどの会社に頼むかが重要になってきた」(同)わけだ。
現在、日本のFA業界には、国内勢から外資系まで多くのプレーヤーが入り乱れる(下表参照)。それでは、各プレーヤーの特徴を見ていこう。
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