INPEX社長、「豪LNG、採算性心配ない」 プロジェクトは予定通り実施
[東京 9日 ロイター] - 国際石油開発帝石(INPEX)<1605.T>の北村俊昭社長は9日、ロイターのインタビューで、オーストラリアで開発を進めている液化天然ガス(LNG)開発の大規模プロジェクト「イクシス」について、原油価格急落に伴う同事業の採算性に関しては「まったく心配していない」と述べた。
現在、1バレル当たり50ドル前後で推移している原油価格でも、同事業が損益分岐点を下回ることはないと説明した。
オーストラリア西豪州沖合で開発中のイクシス事業は、2016年末までの生産開始を目指してる。日本のLNG輸入量の約1割に相当する年間840万トンを生産する大規模プロジェクトで、日本の電力・ガス会社を主な販売先とする。
INPEXは2012年1月、開発投資額340億米ドルに上るプロジェクトの実施を決定した。当時の原油価格(北海ブレント)は1バレル当たり110ドル前後だったが、現在は半値以下の50ドル前後まで下落している。日本の電力・ガス会社向けに販売するLNG価格は原油価格に連動するため、油価が下落すればその分、LNG販売収入の減少につながる。
北村社長は、この半年間で急落した原油価格の影響について「生産開始まで2年かかるが、予定通りプロジェクトを仕上げていく。プロジェクトとしての経済性は心配していない」などと説明した。
現在の原油価格を前提にLNGを販売した場合、イクシス事業の損益分岐点を下回ることはないのかとの質問に対し、同社長は「全然下回っていない」と述べ、現在の原油価格水準であれば採算割れとなることはないと強調した。
北村氏は「投資決定をする前に2年間かけてさまざまな油価、ガス価の前提を置いて、現在の価格もその幅の中にある」と説明。「幅の中」の数値については「具体的には言えない」としている。
同氏はさらに、「原油価格下落は、石油・LNG開発全体のコストを下げる方向に働くので、イクシスについてもコストを極力抑えていく努力を従来以上にしていく」と述べた。
(インタビュアー:月森修 浜田健太郎)
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