目先の利益で廃止に突き進む経営陣。医療過誤事件の反省はどこに。

女子医大が小児治療「最後の砦」解体へ──。東洋経済オンラインで今月3日に報じたスクープは東京女子医科大学(東京・新宿区)を大混乱に陥れた。医療ミスによる小児の死亡事件を受け遺族や厚生労働省に約束した、小児ICU(集中治療室)の設立。これを説明もなく反故(ほご)にすることを暴いたからだ。女子医大の経営陣の迷走ぶりを報告する。
「『小児ICUは収益が上がらない。ウチには必要ないというのが経営判断』。そのように言われたと院長は話しました。少し涙ぐんでいたようにも見えましたね」
こう証言するのは、今月2日に女子医大の地下会議室で開かれた会議に参加したスタッフだ。
田邉一成院長らは、小児ICUチームが経営判断で解体されることを医師や看護師など約80人に告げたという。
小児ICUでは、乳幼児から15歳までの重症患者に、高い専門性を持つ医師と看護師のチームが24時間体制で対応する。小児ICUで治療された小児患者は、成人用ICUで治療された小児患者と比べて、死亡率が3分の1という報告がある。
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