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「『再登山』を考える契機に」 『ライフシフト』をこう生かせ(2)立教大学教授 中原 淳

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なかはら・じゅん 1975年生まれ。東京大学准教授を経て立教大学経営学部教授。『働く大人のための「学び」の教科書』『働くみんなの必修講義 転職学 人生が豊かになる科学的なキャリア行動とは』など著書多数。(撮影:たかはしじゅんいち)

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「人生100年時代」には、健康で働いていられる寿命が80年近くになり、仕事人生がこれまでとは比較にならないくらい長くなる。仕事人生の長期化は、必然的に「学びに満ちた人生」を要求してくるだろう。変化の激しい時代、20代前半までの学びだけで成果を出せるはずがない。『ライフシフト』の「1」と「2」は、新しい時代像を鮮やかに切り取った。

長い人生にはお金ではなく(もちろんお金も大事である)、人としての無形資産(生産性資産、活力資産、変身資産)が大切である、と指摘している。まったく同感である。「2」では世界各国の人物を登場させ、この課題が人種や国に関係なく、共通であることを浮き彫りにした。 

私の専門は人材開発や組織開発だが、長い仕事人生をめぐる研究が重要になってきた。これまでの人材開発では若手社員の教育やリーダーシップの育成が主要なテーマだった。キャリアを伸ばしていく研究という点で「登山」の研究といってよいだろう。

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