メンタル不調や介護、熟年離婚など、長寿時代ならではのリスクに備えよう。
人生100年時代においては、メンタルの不調や親の介護、夫婦の不仲、家族や親族の死、勤務先の倒産など、さまざまな予期せぬ出来事に遭遇する可能性がより増大する。これらのリスクにうまく対応できないと、納得のいくライフシフトの実現は困難になる。
まずメンタルヘルスについてだ。『ライフシフト2』にも、今後は「人々が生涯で経験する移行の回数が増え」るが、「容易に移行できることはめったになく、ほとんどの人は最初のうち強い不安を感じる」という記述がある。この不安とどう向き合えばいいのか。
筑波大学人間系教授の岡田昌毅氏(心理学)は、自身の経験を踏まえて、「人は新しい世界に足を踏み入れたときには、自分の力量不足に愕然とさせられるもの」と語る。岡田氏はメーカーのエンジニアから人材育成担当者、大学教員へと、いわば次々と移行を遂げていったライフシフトの体現者。そんな中でとくに大学教員になったときに、「研究面でも教育面でも経験豊富な同僚の教員と比べて新参者である自分は、どんなに頑張っても今から彼らに追いつくことはできない」と打ちのめされたという。
「こうした場面で重要になるのは、過去の自身の経験を棚卸しして、自分ならではの強みを見つけ出すこと。私の例でいえば、企業組織の中で人材育成に携わってきたという経験は、ほかの教員が持っていない強みであり、これを生かすしかないと考えた」(岡田氏)
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