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富士山型より八ヶ岳型 人生100年時代のキャリア形成

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長い人生には複数の山がある。日本流ライフシフトはこう実践せよ。

(metamorworks / PIXTA)

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『ライフシフト』の中で2人の著者は、人生100年時代においては、人生を「教育」→「仕事」→「引退」の3つのステージに分けて考えるモデルが崩壊、人々は一生の中で複数のキャリアを持ち、また歳を取ってからも必要に応じて何度も教育を受け直すというように、人生がマルチステージ化していくだろう、と述べている。

私もかねて、「これからは「『富士山型一山主義』の人生観から脱却し、『八ヶ岳型連峰主義』の人生観へと変更するべきだ」と、自著の中で述べてきた。八ヶ岳型連峰主義とは、富士山のような1つの大きな山を登るだけで人生を終えるのではなく、いくつもの連なった山を縦走するような生き方のことだ。つまり私もマルチステージ化を目指すべきだと考えている。

司馬遼太郎の『坂の上の雲』は、日露戦争で大きな役割を果たした2人の軍人、秋山好古(よしふる)・真之(さねゆき)兄弟と正岡子規を主人公とした小説である。作品に登場する明治期を生きた人々の平均寿命は、50歳にも満たなかった。事実、真之は49歳で亡くなっているし、真之と大学予備門時代に学友だった夏目漱石が亡くなったのも49歳だった。彼らにとっては、40代までの間に1つの山を登り切れば、あとはまさに余生であり、一山主義でもまったく問題はなかった。

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