赤字続きの自動車保険、高齢者の値上げは「必然」

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確かに大手損保は経営統合などを通じ、事業費、中でもシステムコストの削減を図ってきたのは事実。だが一方、不払い問題など業界自身による不祥事で、保険金の支払い体制見直しを余儀なくされるなど、新たな支払い負担も生じた。

またネットによるダイレクト損保の参入で競争が激化、顧客離れをおそれ、保険料を大幅に上げたくてもできない状況が続いたのも痛かった。

それでも中長期的に、高齢化に伴う収支悪化という、根本的な構造が大きく変わることはない。

自動車保険は損害率の上昇トレンドを考えると、自賠責と同様、12年度以降も値上げの公算が残されている。次は“年齢”だけでなく、“地域別”など、新たな区分による値上げを実施する可能性もある。

とはいえ明確な差別化は利用者の反発を招きかねない。損保各社の悩みは深い。

(木村秀哉 =週刊東洋経済2011年1月29日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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