コロナ禍で生じた生々しい問題の複雑な事情を追った。
[解決のポイント]
・注意喚起のビラは一定範囲に絞る
・行政相談・外部専門家を活用
「隣の家から聞こえてくる掃除機の壁に当たる音が、やたらとうるさい」「ドライヤーの音が気になる」「子どもの足音が響いてくる」
共同住宅であるマンションでは、新型コロナウイルス禍により住民の自宅での滞在時間が増えたことで、冒頭のように周囲のちょっとした音などが気になるようになって、それが大きなトラブルに発展するケースが続出している。
日本マンション管理士会連合会が設置するマンション紛争解決センターの小林正孝センター長は、「これまで顕在化していなかった日常生活の騒音やベランダでの喫煙といったマナーの問題に、住人が気づく機会が増えている。トラブルは多くなっている印象だ」と話す。
このような問題に対して、住民はどう対応すればよいのか。いくつかの事例を見ていこう。
お悩み9|騒音
マンショントラブルの古典的なものが騒音問題だ。
「太鼓をたたくゲームソフトが子どもに人気だが、ゲーム機を床に置いてポコポコとたたくため、隣や上下階の住民から『音が気になる』と理事会にクレームが寄せられるケースは多い」。東京・足立区の大規模マンションで管理組合の副理事長を務める菊池伸也さん(仮名)はそう話す。
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