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「キティは若い世代に訴求 映画やメディアでも試す」 辻 朋邦 サンリオ 社長

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つじ・ともくに 1988年生まれ。慶応大学文学部卒業後、事業会社勤務を経て、2014年1月にサンリオ入社。15年企画営業本部担当執行役員、16年取締役、17年専務取締役。20年7月から現職。(撮影:梅谷秀司)
前2021年3月期、コロナ禍でサンリオは実に12期ぶりの最終赤字に転落した。同時に発表した中期経営計画では、物販などの構造改革とともに「挑戦が称賛されない」「評価基準が明確でない」など、組織風土の問題を自ら批判し、抜本的な改善を課題に掲げた。創業者・辻信太郎会長の孫である辻朋邦社長は、サンリオをどう立て直すか。

物販事業(国内)の営業赤字(21年3月期)

各施設の感染対策などで客数が減り、大幅な赤字となった。今期はアイテム数の削減や顧客データに基づく商品開発を急ぐ。

──オーナー企業ながら典型的な日本企業の課題を抱えています。

いろいろな要因が積み重なっている。60年間創業社長が代わらずワンマンだと、社員や会社を守る意識が強くなる。それは大事なことだが、慎重になる面もある。4〜5割方成功だと思ったら出ていくべきところを待ってしまう。過去の成功例から同じことを繰り返しているところもあった。

キャラクターとエンタメを融合させるにはスピードも必要だ。世の中の流れが速くなる中、遅れる部分があったのは事実だろう。

ただし、改革も経営者のエゴで行ってはならない。そのために社員のアンケートを実施した。「みんななかよく」といった企業理念に対する共感が非常に高い一方、認識してはいたが、評価体系や組織の壁、戦略が明確でないなどの不満が可視化される結果だった。

社員が会社や理念を好きでいてくれることは素直にうれしいが、その力を生かせる組織にするのが最初の使命だ。現代版のプロセスで実行力にこだわってやっていく。

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