2021年3月期の最終赤字額
コロナの影響で旅客数が低迷し、前期から大幅に赤字が拡大。自己資本比率の維持に向け、今期の赤字圧縮は至上命令だ。
──今年3月末で自己資本比率12%と財務が悪化していました。
3月は単月黒字が出る目前まで需要が回復していた。4〜6月も需要の後退に応じた便数調整によって、収支は予算どおり推移してきた。デルタ株の拡大で夏の客数こそ予想を大きく下回ったが、財務も著しく困った状況ではない。
そのうえ20億円を既存株主からの資本増強で、20億円を日本政策投資銀行による劣後ローンで調達した。これにより、当面は何とかやっていける見通しがつき、非常に安心している。
──同時にタームローン300億円の返済期限も延長しました。銀行とは借り入れ、株主とは資本増強について交渉する中、切羽詰まる場面があったのでは。
まったくなかった。確かに金融機関はコベナンツ(特約条項)への抵触に対する意識から、「もっと幅広く財務を手当てしてください」と考えていただろう。ただ、うちの実質的な株主は、投資ファンドのインテグラルと航空最大手のANAホールディングス、日本政策投資銀行、三井住友銀行の4社。いずれも堅実であり、信用力のある立派な企業だ。
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