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「財務面では安心している 早期上場の旗は降ろさず」 洞 駿 スカイマーク 社長

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ほら・はやお 1947年生まれ。71年東京大学法学部卒業、旧運輸省入省。国土交通省航空局長などを歴任。2007年から全日本空輸の常勤顧問や副社長を務める。18年スカイマーク顧問就任。20年2月から現職。(撮影:今 祥雄)
中堅航空会社のスカイマーク。コロナ禍で赤字が拡大し、急速に悪化する財務の行方が注目される中、9月末に増資と劣後ローンで計40億円を調達した。ただ、需要の本格的な回復が見通せず、財務の健全性を保つには心もとない金額にも映る。財務の現状や株主との対話、コロナ後の再上場に向けた成長戦略について、洞駿社長に聞いた。

2021年3月期の最終赤字額

コロナの影響で旅客数が低迷し、前期から大幅に赤字が拡大。自己資本比率の維持に向け、今期の赤字圧縮は至上命令だ。

──今年3月末で自己資本比率12%と財務が悪化していました。

3月は単月黒字が出る目前まで需要が回復していた。4〜6月も需要の後退に応じた便数調整によって、収支は予算どおり推移してきた。デルタ株の拡大で夏の客数こそ予想を大きく下回ったが、財務も著しく困った状況ではない。

そのうえ20億円を既存株主からの資本増強で、20億円を日本政策投資銀行による劣後ローンで調達した。これにより、当面は何とかやっていける見通しがつき、非常に安心している。

──同時にタームローン300億円の返済期限も延長しました。銀行とは借り入れ、株主とは資本増強について交渉する中、切羽詰まる場面があったのでは。

まったくなかった。確かに金融機関はコベナンツ(特約条項)への抵触に対する意識から、「もっと幅広く財務を手当てしてください」と考えていただろう。ただ、うちの実質的な株主は、投資ファンドのインテグラルと航空最大手のANAホールディングス、日本政策投資銀行、三井住友銀行の4社。いずれも堅実であり、信用力のある立派な企業だ。

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