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「板挟み」日本企業の隘路 Part1 最先端技術バトル|各社のシナリオを徹底分析

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電機・半導体、自動車、化学、通信、アパレル、資源。広範にわたる影響を追った。

国家の外交・防衛政策を、民間企業がいや応なしに意識しなければいけない時代がやってきた。人権問題も含め、日本企業は経済安全保障を踏まえて戦略をどのように練るのか。影響の大きい6業種を分析した。

1 電機・半導体|米国の輸出規制直撃 国産進めリスク回避

ソニーは長崎県諫早市における半導体主力工場の増設に踏み切った

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「9月15日の中国の大手顧客への出荷停止を受けて、下期に当該顧客への売り上げはまったく見込んでいない」。2020年10月、ソニー(現ソニーグループ)の十時裕樹CFO(最高財務責任者)は20年度上半期の業績説明会でこう説明した。この日、ソニーは半導体部門の営業利益見通しを490億円引き下げ、810億円とした。ほかの部門では見通しを引き上げる中での大幅下方修正だった。これまでソニーの業績を牽引してきた優良部門が思わぬ形でつまずいた。

原因は、中国ファーウェイに対する米政府の規制強化だ。ソニーの半導体事業売上高のほとんどは、CMOSイメージセンサー(撮像素子半導体)が占める。スマートフォンのカメラ向けで圧倒的なシェアを誇り、カメラ性能を重視するファーウェイは、センサー事業の年間売上高1兆円のうち、約2割を占めるとみられる。

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