菅義偉首相の側近で米国、中国双方に豊富な人脈を持つ阿達雅志・首相補佐官(参議院議員)。国際政治とグローバル経済の両面を踏まえた意見を聞いた。
──経済安保論議が盛んです。
経済のグローバル化が行き過ぎてしまった。自由貿易を推し進めてきた結果、国の安全保障を脅かしかねない事態が起きている。LINEが中国の関連会社にシステム開発を委託し、中国人技術者が日本の個人情報にアクセスできる状態にあったことなど、われわれは知らなかった。
守るべき情報や技術を整理し、対応策を練っていく。そのために経済安保という視点で全体像を見ていく必要性が出てきたということだ。ただ、そのときに大切なのは現実を踏まえた議論だ。
経済安保の議論は急に浮上したわけではない。例えばエネルギー安全保障の議論は昔からあった。日本は1次エネルギーに乏しく、石油は中東からの輸入に依存している。そのために中東との関係を強化したり、輸入先を中東以外に振り分けたりと、いろんなことをやってきた。これが本来の経済安保の議論で、いま盛り上がっている経済安保論議は、特定国をやや意識しすぎたものになっている。
──半導体サプライチェーンから中国を除外する、という意見が出ています。
中国が「中国製造2025」を打ち出し、世界の技術覇権を握ろうとしているといわれているが、覇権を取りにいくような力が中国に本当にあるのか私は疑問に思っている。半導体大手の紫光集団は昨年2度もデフォルト(債務不履行)を起こした。中国の実力を冷静に見極めたい。
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