家計や老後資金に関連する法改正のポイントをまとめた。
2021〜22年に行われる法改正には、家計や老後の生活への影響が大きい、社会保険や働き方、税金に関連するものも多い。ファイナンシャルプランナーで家計相談の実績が豊富な、ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏は、「人生100年時代に、高齢期の経済基盤をいかに充実させるかを考えることにつながる改正もあるので、ポイントを押さえたい」と助言する。
75歳受給開始の選択肢
「重要な法改正」は今年4月からの改正高年齢者雇用安定法と、22年4月に施行される年金の繰り下げ受給年齢の上限引き上げと年金額増減率の変更、そして同年5月に施行される企業型確定拠出年金の加入可能要件の見直し、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能要件の見直し、10月施行の被用者保険の適用範囲拡大だ。
改正高年齢者雇用安定法により、これまで企業の義務だった65歳までの雇用確保に加え、70歳までの就業確保が努力義務となる。
「これは22年4月から実施される、年金の繰り下げ受給年齢の上限引き上げと表裏一体の関係にある。公的年金は、原則として65歳から受け取れるが、現行制度では希望すると60歳から70歳の間で自由に受給開始時期を選ぶことが可能だ。今回の改正では、その上限を75歳まで引き上げることになる」(深野氏)
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