
仕事をする中で、法律上の問題に直面する機会は少なくない。その際にまず頼る先が、社内の法務部門だ。このとき、ビジネス現場にいる側から何を尋ね、法務部にはどのような仕事をしてもらえばよいか。そのポイントを押さえよう。
法務部の機能は「予防系」と「臨床系」に大別される。予防系とは、事前の法律相談や契約書審査といった、問題発生を未然に防ぐための機能だ。これに対し、臨床系とは、事後対応機能。訴訟対応といった紛争の有利解決機能がこれに該当する。
まずは、予防系について。実は、「この案件、リスクはありますか?」というのは愚問だ。リスクのない施策などない。いってみれば、明日、隕石が降ってくる可能性だってリスクなのだ。この聞き方では、有益な回答は望めない。
リスク算定の公式
聞くべきは、「これはどの程度のリスクか、そしてそれは踏めるリスクかどうか、踏めない場合の代案は何か?」だ。ここでリスクを算定する際の前提として、「法的リスク=影響の大きさ×発生確率×ダメージコントロールの失敗可能性」という公式を覚えておきたい。リスクは多くの要素の掛け合わせで、濃淡もある。
その濃度と施策のメリットとを比較考量して実行するか否かを決めるのはビジネス部門の役目で、その作戦参謀が法務部だ。よって、法務部からは、ある施策に対して質の高い判断をするための材料、すなわち「リスクの可視化」と「対案」を引き出すことが重要なのだ。
リスクの可視化に当たっては、「他社事例はどうなっているのか」「検挙例が実際にあるのか」など具体例を聞く。「厳密には法に触れる」ことと、実際に検挙されるのかどうかには、意外と大きな隔たりがある。また究極的には、そのリスクが最悪、金で解決できるものであるかという点も重要だ。
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